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連日報道の続くシリア難民問題。国連から日本にも難民受け入れの要請が届いていますが、実際現地の状況はどうなっているのか。
また、各国がどれだけ受け入れを実施したら解決するのかなど、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)にある情報を調べてみました。

シリアの基本情報 | クローズアップ シリア

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「アラブの春」による、一連の民主化運動が事の発端

アラブの春
まず、そもそもの始まりは2010年12月18日に、チュニジアのジャスミン革命から始まった「アラブの春」にあります。

中東各地に広がったこの民主化運動は2011年3月シリアにも及び、反政府の「自由シリア軍」がアサド政権に対し反乱を仕掛けたことから始まりました。
この内戦による犠牲者はこれまで22万人を超え、シリア国民(約2,000万人)の半数、約1,000万人が支援の必要な状態に陥っています。

さらにこの無政府状態の中、油をそそぐ形でIS(イスラミックステイト=イスラム国)の台頭が事態を深刻化。より多くの難民を生み出す結果となっているのです。

隣国などへ避難するシリア難民は400万人超え

難民
最新の調査によると2015年9月7日時点、他国へ逃れた難民数は4,088,099人に上るとのことです。
これは日本でいうと、静岡県(約380万人)や神奈川県の横浜市(約370万人)の人口を上回る数であり、今もなお着実に増え続けています。

また、国内にある19の難民キャンプにはおよそ425万人(2013年9月時点)がおり、紛争が激化する中、満足のいく救援物資も届かない状況で生活しています。

基本的に国外へ逃れられる難民は、比較的裕福な家庭の人間なため、逃亡を支援する運び屋にお金を払えない貧しい人達は、国内に留まることを余儀なくされているのです。

特に今回受け入れ先として注目されているドイツでは、難民に対する法も整備され、なおかつ仕事にもありつけるとあって、難民にとっては願ってもいない避難先となっています。
シリアからではかなり長距離の移動が必要となるため、それだけのお金の払える一部の人間しか到着できていないようです。
以下記事では、避難してきた弁護士の男性や、ギリシャからハンガリーへの移動に4〜5ヶ月分の給料分を払って、なんとか移動してきた家族のインタビューが載せられています。

ドイツ:収容施設で難民ほっと「新天地、神のご加護」 – 毎日新聞
難民:貧しい人、シリアから出られない 安定求めて続く波 – 毎日新聞

受け入れ先広がるも、到着できるかが鍵

EUのユンケル欧州委員長は、新たに難民12万人を加盟国で分担する提案を近く表明するとのことです。その他地域でも、カナダで3,650人、ニュージーランドで数百人規模の受け入れ先が出てきています。

ただ、やはりここで問題となるのが、どうやってそこまでたどり着くのかという点です。
特に隣国のハンガリーでは、国境管理を強化し難民の流入を阻止する動きなども見られ、ヨーロッパへの移動が困難なものとなっています。

受け入れ先の拡大が焦点となりがちですが、そこに至るまでの難民の保護・救済などについても考えなければいけない問題であることがわかります。
そのため、今回この難民問題にかこつけて、欧州各国がシリアへの攻撃を始め沈静化に動き出したことを踏まえると、今後難民問題が紛争制圧に向けての大きな一歩となるかもしれません。


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