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情報化社会、先進国における市場の成熟化、価値観の多様化、、などなど。
こうした社会的変化の続く21世紀にあって、企業はどうあるべきか、もしくは生産活動を行う企業体、人々は何を目指したらよいのか、という問いの答えになるのでは?という考え方があります。

何が勝つかより「何が価値か」──10年前のどん底時代にスマイルズが描いた、数字のない事業計画  | ぼくらのメディアはどこにある? | 現代ビジネス x サイボウズ式 :

こちらは現代ビジネスの特集で「スープストック東京」を運営するスマイルズ代表遠山正道氏のインタビュー記事です。
その中で語られる「何が勝つかより、『何が価値か』」という考え方は、この21世紀にあって非常に参考になると感じたため、少しまとめておきたいと思います。

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私たちは、「20世紀は経済の時代、21世紀は文化・価値の時代」だと思っています。かつては経済そのものが主役で、市場が広くて商品もあふれていました。
でも、経済が停滞しているいまは、マーケティングを軸に足し算・引き算でビジネスをして、「何が勝つか」を競い合うんじゃなくて、「何が価値か」をちゃんと見極める視点をもち、結果としてそれがビジネスとして成り立っていく、そういう循環をつくっていかなくちゃいけない。

遠山氏自身、これはきれい事かもしれないとフォローしながらも、苦しんでもがいた結果たどりついた答えだと言っています。

現場で働く人であれば、価値を求めるのは当然で当たり前だ、と思うかもしれませんが、ここでおもしろいと感じるのは21世紀を「文化」の時代だとも言っている点です。

文化とは何を指すのか。ここでは詳しく述べられていませんが、解釈としては日本文化や芸術・アートといったものとは別に、人々の生活に根付いた習慣のようなモノを指しているというものです。

要するに、いかにビジネスを拝金主義的なものでなく、人々の生活や暮らしぶりの一部として入り込めるビジネスを生み出せるか、ということではないかと。

もちろんこれは個人的な解釈ですが、ビジネスが人々の生活に溶け込む、1つの文化・習慣として当たり前のものにするという戦略を取っていたのがユニクロやAKB48だった気がします。

柳井氏や秋元氏は、はじめから一過性のブームや永続性の無いビジネスでなく、世の中にその企業の製品やサービスがあって当たり前の生活を提供する事を目標にしていた、とどこかの記事で読んだことがあります。

柳井氏は、ユニクロの前身である小郡商事の頃から衣類を扱っていたため、そもそも生活に根差す日用品を展開していきました。
一方で秋元氏は、アイドルをプロデュースする際、モーニング娘など一過性のブームに終わらせぬよう姉妹グループを各地方、更には各国にまで生み出し、地域に根付いたアイドル活動を展開させています。

何が勝つか、という売上げだけが評価基準になってしまうビジネスでなく、本当に社会や生活の一部として根付く価値あるビジネスをまず考えることの重要性を改めて感じさせます。

また、きれい事でなく、実際にその方針で成功させている企業があるからこそ考える価値があり、これからのサービス作りのヒントになると思います。


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