多様な価値を提供してくれる教養

教養なんて取っ付きにくいし、学んでもすぐに役立たない、自慢しようものなら「お、おう、、」の反応と共に、静かに距離を開けられる始末。正直そこに投資した時間と脳内メモリにハッピーエンドはあるの?と、ひときわ不安だけを与えてくれる教養。

そんな憂いとおさらばすべく、今回は教養を学んで得られるメリットを自分なりにまとめてみました。ネットで調べれば何でも出てくる昨今、その重要性が叫ばれながら中々その恩恵を実感できない。そんな方にとってのモチベーションになればと思います。

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教養を学んで得られる3つのメリット

実際のところ、自分自身も日々学びながら手探りでその意味や価値を確認している段階です。正直、雑談程度で役に立つこともあれば、学んだことを全く活かせず持ち腐れになることもあるので、そういった部分は乞うご期待。

 メリット1:常識や物事への見方をリセットし、柔軟な発想を可能にする
 メリット2:重要な決断を前に、有益な示唆を与えてくれる
 メリット3:幅広い人達とのコミュニケーションを円滑にしてくれる

今回は、上記3つのメリットについてみていきます。自分が直接経験したもの、先輩から教えられて気付いたものなど、他にもあるのですが今回はこの3つを取り上げます。

1. 常識や物事への見方をリセットし、柔軟な発想を可能にする

教養では、普段学ばない様々な分野に触れることができます。哲学や文学、宗教、芸術、科学など、これまで自分とは全く関係無いものとして遠ざけていた事柄から、思いがけないヒントを得ることがあります。また、1つの物事に対し世界中にいる人の数だけ考えや意見がある、ということを知っておくと、絶対的な正解だけを求めない自由な発想や余裕を持つことができます。

『常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションのことをいう』

とアインシュタインが言ったように、その偏見のコレクションを随時リセット&アップデートしていく手助けとなるのが教養なのです。

また、教養を活かした自由な発想という面でAppleの元CEOスティーブ・ジョブズ氏のエピソードがあげられます。彼は大学時(正確には中退後)、自分が興味を抱いた哲学やカリグラフィー(西洋書道)の授業を精力的に学び、後のMacintoshやiPodを生み出しました。
コンピュータを作る、という製造に関する知識だけでは生まれない洗練されたデザインは、こうした深い教養的センスの産物だと考えられます。

2. 重要な決断を前に、有益な示唆を与えてくれる

よく企業経営者や役員は、古典や歴史上の人物伝を読んでいるという話を聞いたことがあります。一見、経営やビジネスとは何の関係もない書物が、なぜ読まれているのか常々不思議だったのですが、知り合いの経営者から話を伺い心底納得しました。

組織の代表として、社長は常に会社の未来、また何人もの社員の生活を背負って日々過ごしています。ちょっとした自分の判断ミスで、その全員を路頭に迷わせるほどの責任を持ちながら、最終的な決断は自分1人で下さなければなりません。
もちろんその決断に至るまで、あらゆる仮説を検証し、情報を集め精査するという手は尽くしていますが、最後の一歩それでも踏み出せない時があると言います。そんな時、最後の最後に確信を得るため、過去の偉人の言動や思想を参考にするのだと言います。
簡単に弱音を吐けない、悩みも相談できないという立場の中、自分と対話し、自己を保つためにそういった歴史的書物と対峙するのだそうです。

今後自分がそういった立場になった際、何を後ろ盾として自分を律し、決断をしていくのか。少しでも革新的・常識外の挑戦をしていきたいのであれば、こうした哲学や古典と向き合い、確固たる信念を築き上げていく必要がありそうです。

3. 幅広い人達とのコミュニケーションを円滑にしてくれる

海外企業との商談や、年配経営者の方との接待などにも教養はいかんなく力を発揮します。このグローバル化&高齢化の中、普段から同じ日本人、それも同世代としか絡みが無いと、話の内容が限られ、そうしたキーパーソンになり得る人達との交流に支障をきたす可能性もあります。

日常の何気ない場面であれば、当たり障りない会話で済みますが、商談を成功させたい、自分を売り込みたいといった時に教養は大きな武器になります。
それこそ海外のビジネスマンとは、考え方や価値観など根本から異なるため、宗教や歴史を切り口に理解していくことが第一です。また、年が離れた上司や経営者とであれば、古典や歴史・文化などの教養がコミュニケーションの潤滑油となるはずです。

唯一注意すべきは、その知識を自慢したり必要以上にひけらかしてはいけないということです。
コミュニケーションでは、あくまで折に触れた際、相手が興味ありそうだとわかった時だけ、小出しにしながら会話を膨らませる為に使うようにしましょう。
教養の無い人にとっては、ただの頭でっかちにしか見えないこともあるため、使い所だけは注意してください。

実は実用的な教養スキル

長々と書いてしまいましたが、よく見ると教養のメリットに挙げた3つは「発想力、リーダーシップ、コミュニケーション」において、非常に重要な要素であることがわかります。
正解が無いとされるこの時代、奇抜な発想とそれを円滑に推し進めるコミュニケーション、そしてそれを信じ決断していくリーダーシップは、どんな仕事においても必要不可欠です。

最初からこの3つを考慮して書いた訳ではありませんが、結果こういった素養を養えるとわかり、個人的にはそれなりに満足しています。

もちろんわかっている・知っているだけでは仕方ないため、これをいかに使うかということにフォーカスしながら、学習への動機付けを今後も見つけていきたいと思います。

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