安川電機ロボット、居合術挑戦(※画像はYoutubeより)
ロボットにこんな匠の技が再現できるのかと、ひとしきり関心してしまったのが第一印象。
かねてよりそのパワーや耐久性といったロボット・機械ならではの特性に目がいきがちでしたが、その考えを覆す衝撃的な映像が公開されています。

安川電機が今年、創立100周年に伴い進めている記念事業『YASKAWA BUSHIDO PROJECT』によるもの。
居合術家・町井勲氏全面協力のもと、居合術の高度な技に挑戦するという内容になっています。

正確さを越す”繊細さ”をロボットが再現

動画を観て頂ければわかると思いますが、とにかく町井氏とロボットがシンクロしている姿が本当に美しい。
個人的に、イカツイ外見のロボットアームがここまでしなやかな動きをするとは思ってもいませんでした。

技は「袈裟斬り」「斬り上げ」「水平斬り」「千本斬り」の4種が行われ、いずれもロボットが見事に再現。特にラストの「千本斬り」では、1度でも刃こぼれすれば斬り終えられないであろう繊細な居合いを、幾度と無く繰り返し完遂する様は圧巻でした。

これまでロボットの”正確さ”という表現をしていましたが、それを遥かに越える”繊細さ”を実現しており、ロボットに対する考えを改めなければなと感じます。

微妙な刃の角度から、スピード、その他微妙な調整を人の動きからトレースし完璧に修正していく。

居合の太刀筋トレース
ロボット技術の向上がこの先どこまで発展していくのか楽しみな反面、人が織りなす伝統・匠の技がこうしてロボットにも再現できるようになっていくというのは少し寂しいものでもあります。

話は少し変わりますが、日本酒作りの現場でも杜氏(とうじ:日本酒造りの職人)さんを介さず、徹底したデータ管理のもと生産している蔵元も出てきているほどです。
そういった面からも、今後もさらに人ならではの価値についてより深く考えていく必要がありそうです。

オリンピック開会式にうってつけの演目なのでは?

話は多少それましたが、今回の動画から人とロボットの共演というテーマは非常に魅力的で可能性のある分野であると感じました。
エンターテイメントとして、驚きと興奮を生み出すパフォーマンスという面でかなり高いレベルの演目が期待できるのではないでしょうか。

少なくともAKBやアイドルなどを出演させるより断然良いと思えますし、中途半端なアーティストを出すくらいなら、それこそオーケストラとロボットの共演を実現させた方が確実におもしろいはずです。

秋元康氏が余計なことをしなければいいなと思いながらも、どうせやるんだろうなと諦め半分で思った次第ですm(_ _)m