日本語講座
普段何気に文章を書いててふと気になる自分の日本語力。細かい表現や微妙な言い回しなど、勢いで書いてしまうとつい疎かになりがちですが、たまには少し振り返ってみようかなと。

まずは難しい言葉より、基礎基本となる助数詞(ものの数え方)から。ということで、今回は「1人と1名」「1匹と1頭」「1度と1回」の違いについて調べてみました。

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「1人と1名」- 名前がわかっているかどうか

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レストランなどで順番待ちしている際、店員の人から「2名様こちらへどうぞ」と言われたりします。確かにこの時「2人様」とは言わないですし、どちらかというと「名」の方が丁寧なのかなと感覚的にはわかります。

調べてみると、確かに人数で呼ぶ際の丁寧な言い方は「名」であり、「人」を使う時も「お2人様」とすればそれもOKなのだとか。

ただこの場合とは別の使い分け方として、対象の名前が分かっているかどうかで使い分ける場合もあるそうです。
「名」は名前が分かっている人を数える時に使い、「人」は名前が分からない、不特定の人を数える時に使います。

例えば、「会場には2000人もの参加者が集います」といったケースでは、「2000人」全員の名前を把握できている訳ではないので「人」。
「新入社員研修には30名が参加」であれば、「30名」それぞれの名前がはっきり分かっているため「名」となります。

また、ニュース等でも事件や災害で「3人の身元不明の死体を発見」や「3名のご遺体が運ばれます」などのアナウンスも上記に当てはまります。「死体」と「遺体」の違いも身元が判明しているか、人格性を与えられるかどうかが判断基準です。

「1匹と1頭」- 抱えられるかられないか

少女と猫
1匹と1頭。こちらもなんとなく「匹」は小さい生き物、「頭」は大きい生き物に使うような気はします。
ただこれにも割りとわかりやすい基準が決まっており、人間が抱えられないほど大きい哺乳類動物を数える際には「頭」を使うことになっています。
似てはいますが、小さめのチンパンジーは「匹」でも、少し大きめのマウンテンゴリラは「頭」ということです。

例外としては、警察犬や救助犬、盲導犬、更には希少な動物及び昆虫類も、容易に抱えられる部類ではありますが、「頭」と数えることになっているそうな。

犬や猫に関しても上記基準では「匹」となりますが、「匹」と「頭」を比べどちらかというと存在が軽く感じられる「匹」を用いず「頭」で数える場合もあります。
特にペットショップでは「〜匹の犬」だったのが、人に飼われることで「1頭の犬」という様に飼い主によって異なります。

「1度と1回」- 次があるかどうか

バースデーケーキ
1度と1回の使い分けは、今後それが繰り返されるかどうか、次があるのかないのかが判断基準になります。
繰り返すことが予想できなければ「度」。次回もあるのであれば「回」という使い方です。

毎年恒例のイベントなら「第〜回」であり「第〜度」とは言いません。
また、注意したいのは「一生に1度のお願い」を「一生に1回のお願い」という人の話は絶対に聞いてはいけないということです。繰り返されたらたまりませんし。

仕事上でも接待で、「〜度目のお食事会」より「〜回目のお食事会」と言ったほうが、今後も末永くお付き合いしたいという表現が含まれるため、使い方には是非気を配っておきましょう。

まとめ

こうした違いはほんの些細なことかもしれません。ただ、その違いがわかるかわからないかでその人となりや性格が出てしまうものです。
人間関係はこうした蓄積がモノを言うため、少しでも日本語力を見直せればと思います。


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