数学、やっぱ奥深いなー。と感じた人が多かったのではないでしょうか、金曜夜の白熱教室。今シリーズは先週まで数学ミステリー白熱教室と称して、数学界の重要テーマ「ラングランズ・プログラム(Langlands Program)」をご紹介。
▶ NHK 数学ミステリー白熱教室 : http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/math/
ラング、、ランズ?なんかもっとフェルマーの最終定理やアルゴリズム的な話なら聴いたことあるけど?という方も多いかもしれませんが、それもそのはず。
現代数学でも最先端をいくラングランズ・プログラムは、「数学の大統一」を果たすため日夜研究が進められている今注目の分野なのです。
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パズルを完成させる=数学を統一する?
これまで学校で習ってきた数学といえば、せいぜい三角関数や微分積分、行列といったものではないでしょうか。数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、Ⅲ・Cと各学年、各分野で分かれ、理系大学受験の必須科目だったと思います。
そもそも数学に触れない文系学生はあまり知らないかもしれませんが、数学はただ受験で使う範囲が全てというわけではもちろんありません。
大学以降で研究される数学は、それはもう奥が深く、さらには横にもだだっ広い領域が展開され、それが研究で終わらず、現代社会にも絶大な影響を及ぼす一大学問となっているのです。
なじみ深い方程式や幾何学といったものだけでなく、「数論」や「調和解析」「ガロア群」など聞き慣れない領域がそこら中で体系をなしている。
机の上に散りばめたパズルピースを、それぞれの数学者がそれぞれの場所でできるところからつなぎ合わせていく。そして、あちこちにできた島・かたまりが、その「数論」「調和解析」の領域なのです。
一見どれも関係なさそうに見えるパズルの島で、各分野の専門家が別々に研究を進めていきます。
しかしある時、360年間解けなかった数学界の超難問「フェルマーの最終定理」を、その分野と全く異なる方法(別の領域の問題を証明すること)で解決してしまった者が現れました。
事態は急変し、実は異なる数学の領域間にも関係性があるのではないか、そうにわかに考えられるようになっていきます。
そこで、「むしろ一部の関係性ってより、もしかしたらこれ全部どこかでつながってるんじゃない?」と予想した人物が登場。
それがカナダの数学者ロバート・ラングランズ氏です。
彼は、数学の様々な分野が実は“地続き”で、最終的には1つ大きな島(体系)に“統一”できるのではないか、という大胆な予想をし、それがラングランズ・プログラムの提唱となったのです。
文系学問で無理矢理例えてみると?
そんなラングランズ・プログラムの衝撃、壮大さについて、数学をよく知らないという人にどう伝えればいいか悩みましたが、思いっきって誤解を恐れずに言うとこうなると思います。
「世界中の言語が1つの言語に統一されること」
これ、とてつもなくスゴくないですか。
もちろん、詳細、仔細をぶっ飛ばしての話なので、あくまで例え話になりますが、例にあげると言語の分野で、文学科の英米専攻、ドイツ語専攻、フランス語専攻、日本語専攻など色々あると思います。
それぞれの各専攻(各言語)は、別々の分野として研究されていますが、実はそれらは元々密接に関係しあっていて、もしかしたら世界の言語を1つに統一できてしまうかもしれない。
さらにそれが国内の教授間だけでなく、世界中のフォーラムやカンファレンスで世界的権威のもと真剣に議論され解決に向け話し合われているといった事態が起きている。
これ、冷静に考えても考えなくてもスゴイことが一発でわかるレベルで、その全貌が明らかにされればそれこそ宇宙人がやってきて、地球人が宇宙連盟に正式に加入させてもらえるような話ではないかと勝手に妄想を膨らませています。
話はそれましたが、とにかくこのラングランズ・プログラムは数学界の大予想として、今後ますます研究が進められていく注目の分野です。
数学は苦手!分からない!けれど、こうした世界観の話が一方でなされているということを知っておくと、数学に興味を持つ入り口程度にはなるかもしれません。
興味関心の幅が、少しでも広がれば幸いです。