円周率について

小学生の頃、π(パイ)という甘美な響きと無限に続く小数点以下の訳の分からなさに虜になった人も多いはず。先生がπ(パイ)と言うだけでクスクス笑い出すちょっと男子ー的な流れはもはや一テンプレ。

ということで今回は「π(円周率)」です。
当時は学校のテストで必要だからという理由で、とりあえず「π=3.14」を覚えさせられましたが、そういやこの数字どっから出てきたのと。
もしかしたら教えてもらったんだろうけど、ぼんやりとしか覚えていない。なら改めて思い出しておこうということで取り上げてみます。

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円周率を求める公式は?

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そもそも「3.141592・・」という数字はどんな式から導き出せるのか。なんとなく、円周やら半径、直径が絡んでくるのはわかりますが、はっきりと思い出せない。これでも大学は数学受験だったのですが、本当に習ったのか疑うレベル。

円周率を求める式「円周÷直径」

円周率は、円周に対する直径の比率を示した数値で、小数点以下が循環しない無理数(分数や平方根でも表せない数)ということです。
調べてみて確かに「直径×π=円周」という式は習ったなと。テストで円周やら面積を求める問題は出ても、πを求める問題は無かったですし。あくまでπは使うもので、それ自体にフォーカスするといったことは皆無でした。

ただ、こうして円の大きさがどれだけ変わろうと円周と直径の比率が一定、という関係は円周率が円を定義しているとも言える間柄です。
円は丸いから円だ、という言い方だけでなく、【外周の長さ】と【外周から中心までの長さ(=半径)】×2の比率が3.141592・・である図形はほぼ円である、と逆の見方でモノを定義することもできそうです。

このように、これまでの当たり前を見直し自分の頭で物事を言い換え再定義する、という行為は理解を深める際かなり有用です。
仕事などでも、業界で常識となっている物事や現象を改めて自分の言葉で言い換え、対象への認識をはっきりさせると、新しい側面が見え局面の打開につながることもあります。
視点を変えて新しい枠組みで物事を見つめ直すという行為を、普段から取り入れてみるといいかもしれません。

なぜ円周率は正確に求まらないのか

ものはついでなので、数式ではなく視覚的に円周率はどう求められるのか、という点にも触れておこうと思います。
以下の図をご覧ください。半径1の円の中に正多角形をはめ込み、正多角形の角を増やしていきながらその外周を円に近づけ円周率を限定していく方法です。

円周率の求め方、アプローチ

正六角形は、ちょうど正三角形が6つ入る形です。この正三角形の一辺は半径と同じ1なため、1×6より外周の長さは6となります。ここでその正六角形の外側にある円周の長さは当然6より長くなるため、[6<円周]という関係性まで得られます。円周率に換算すると[円周(6以上)÷直径(2)]=3以上です。
同様に正八角形では二等辺三角形が8つあり、頂角45°斜辺1の底辺は約0.765となります。約0.765×8より正八角形の外周は約6.12。先程より円周率はより明確に算出でき[円周(約6.12以上)÷直径(2)]=約3.06以上となります。

これを正十角形、正十二角形・・・と増やしていくことで、徐々により正確な値(円周率)を正多角形の外周から限定していけるのです。

また、こうして図で確認すると、なぜ円周率が正確に求められないのかという問いにも答えることができます。
円周率は円周(外周)と直径の関係性から得られる値であり、円周の長さが求められなければ、円周率も定まりません。
上記の方法で正多角形の角をいくら増やして円周に近付けようとも、「角」がある以上永遠に円にはなり得ません。
実際に作れなくても、理論上では正一億角形、正一兆角形など)を作ることが可能であり、計算しようともキリがないのです。よって計算し続け円周率の近似値は出せたとしても、解が求まることは一生ないということです。


2014年時点、円周率は小数点以下13兆桁まで算出されているそうです。もはやそれ以上計算する意味があるのか、と思ってしまいますがどうなんでしょうね。
小数点以下の暗唱ギネス記録を持つ方は日本にいますが、円周率に向ける情熱は人それぞれってことで。計算や暗唱としてではありませんが、教養として・常識を見直す機会に円周率から何か学べればと思います。


photo credit: questionable apathy via photopin (license)

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