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この前、某テレビ局で番組制作をやっていた人と話をする機会があったので、そこでの内容をメモ代わりに書いておきます。

なんでテレビって面白くないんですか?やら日頃思っていたことをぶつけてみると、結構おもしろい答えが返ってきたのでこれはシェアしようかと。

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テレビのターゲットは誰?

自分:「なんでテレビって面白くないんですか?」
元プ:「どこらへんそう思う?」
自分:「たまたま昼のテレビ(ヒルナンデス、ひるおびなど)観てて思ったんですけど、あれよく観てると『おいしー』『かわいー』『すごーい』しか言ってなくて内容ほとんど無い、ただの芸人、アイドルのリアクションシーンまとめみたいじゃないですか。」
元プ:「なるほどね、そう思える君は多分、テレビとか番組のターゲットじゃないんだよ。」
自分:「番組のターゲットすか?」
元プ:「そう、要するにそんなこと考えないただ受信するだけの人、思考停止してるのに気付いてない頭の悪い人向けなんだよ、テレビって。」
自分:「おふっ・・」

という訳で、テレビってのはその性質上多くの人が観るもの→多くの人がわかる内容のもの、っとなるためどうしても難しい番組は作りづらい。そうなると、誰でも感覚的にわかりやすい表面的なものにしかならないから、分かる人には退屈でしかないとのこと。

確かに少し考えてみればわかりやすいですよね。テレビ側も視聴者に観てもらってなんぼ、社会的に意義のあることや人として大事なことより、笑えるネタや感覚的におもしろいと思った番組の方が多く観られる。

自分:「そうは言っても、ただわかりやすいもの、おもしろいものだけじゃ飽きちゃいませんか?」
元プ:「そういう時には、色んな番組の作り方があるけど、1つは視聴者の優越感と自虐性を刺激できるものを作るかな」

テレビを観ることによって得る満足感

「優越感」と「自虐性」

ここで2つのワードが出てくるのですが、実はこの2つが人間の満足感や欲求に応えるポイントなのだそうです。

例えば、テレビでホームレスや万引きGメンの特集を組むとします。
すると視聴者は、社会には自分よりまだこんな下の人がいる、こういう人がいるから社会はよくならないんだ、と見下すことで自分を相対的に上位に位置付けることができ、自分はまだ大丈夫だと一種の優越感に浸ることができます。

また、それとは逆にお金持ちや総理大臣が、お昼に3,500円のカレーを食べたとします。
すると今度は、そんな高価なもの自分達は食べたことない!自分ら庶民の感覚と全く違う、けしからん!と、自虐意識を持つことで自身を守り、あたかも弱者であると錯覚するのです。立場が弱いということは、それだけ周りから優遇されて当然、何かしてもらって当然となり、自ら主体的に行動する姿勢や責任感のようなものから解放されるのです。

こうした「優越感」や「自虐性」を刺激することで得られる満足感や安息を、テレビはできるだけ提供し、視聴したことへの充実感を持ってもらうということでした。

本質的に人はどういったことに満足感を得るのか、という問いに対し、どこか目を背けてしまいがちな人の卑しい(弱い)部分を突きつけられた感じがしました。ただ、確かに言ってることも間違ってるとは思えず、終始モヤっと聞いていましたが、番組制作側の考えを少しは知れた気がします。

何を学べたか、と言われると社会のしょーもない側面を知ったという部分が大きいかもしれません。
ですが、こうした狙いや意図があって番組制作が行われているということは、知っておいて損は無いと思います。また違ったテレビの楽しみ方ができるかもしれませんし、情報の正確性において、もし脚色をつけるとしたらどういった方法が考えられるかなど、テレビを賢く観るヒントになるかもしれません。


photo credit: TVP (Poland) Report via photopin (license)

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