教育現場でのICT・テクノロジー利用で、懸念事項上位に必ずランクインしてくる”セキュリティ”問題。
生徒の個人情報管理や、サービス間での連携・やり取りなど、いつどこでリスクに曝されるかわからない中、二の足を踏んでいる学校も多いのでは?
▶ Sonyがブロックチェーンを利用する教育と試験のためのプラットフォームを計画中…各人の“教育ID”を共有する場に | TechCrunch Japan
そんな中、今回Sony(Global Education事業部)は教育関連データをセキュアに扱えるプラットフォームを、”ブロックチェーン”技術をもちより2018年以降を目処に実現させようとしています。
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bitcion(仮想通貨)の基盤技術を応用
今回利用される予定の技術は、仮想通貨bitcoinを支える基幹技術を応用したもの、ということです。
すでにFinTech(Finance+Technology)界隈では有名だそうで、”ブロックチェーン”技術とは、買い手と売り手が第三者機関(決済仲介業者など)を通さず、信ぴょう性のある取引を直接できる仕組みなのだとか。
簡単にまとめると、権限が1つに集中(中央集権化)せず、世界中のパソコンにデータを分散させながら、相互監視を可能にするコンピューターネットワークということです。
[参考]特集:FinTech入門(3):ブロックチェーンは「取引コストゼロ」の世界を実現しようとしている (1/3) – @IT
SONYはこれを教育分野に応用し、学業成績や学習記録をオープンかつ安全に共有できるプラットフォームを構築する予定。”新しい教育インフラ”として、実際に開発を始めるのは2018年以降としていますが、そう遠くない未来に実現されるのではないかと期待されています。
教育ビックデータの管理・共有をより手軽に安全に
このプラットフォームが実現すれば、資格試験のデータや就職活動で必要なSPIの結果などを、安全に管理・共有することが可能になります。
既存サービス(LinkedInなど)との連携により、経歴をよりオフィシャルに提供できたり、入社試験を何度も受けずとも、手軽に複数の評価機関に提出→評価してもらえるようになるそうです。
また、学校現場での活用であれば、生徒個々の入試結果や学業成績をストックし、より詳細な教育情報を提供可能。進学やキャリア支援に役立てるほか、新たなEdTechサービスのビジネスチャンスになるとも考えられます。
安全に上に成り立つテクノロジー活用
▶ 「平成26年度 学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」調査報告書(第2版)|ISEN
教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会(ISEN)が公表しているデータでは、毎年、教育現場における情報漏えい事故が跡を絶ちません。
今のところ、こうした事故の多くは「紛失・置き忘れ」「誤送信」「誤廃棄」といったヒューマンエラーとされています。ですが今後、さらなるテクノロジーの導入により、第三者からの不正アクセス・ウイルス攻撃の標的になる危険性はより高まってくることは間違いないでしょう。
子供の未来を預かっている学校だからこそ、その個人情報にはより慎重になることもわかります。しかし、そのせいで現場がデータ利用・テクノロジーに対し消極的になってしまう事態は防がねばなりません。
そのボトルネックを排除するにも、より堅固なセキュリティシステムの実現が待たれます。SONYの今後に注目です。