女子中高生のプログラミング体験

Googleって本当いろいろなことしてるんですね。
ソフトウェアやプロダクトの開発だけでなく、”エンジニア”という職に親しみを持ってもらおうと、女子中高生を対象としたプログラミング講座や講演などを実施しているそうです。

▶ Mind the gap – Google : http://www.google.co.jp/events/mindthegap/

この「Mind the gap」と呼ばれる取り組みは、これまで首都圏の中学・高校(女子校など)をメインに、女子生徒の将来の選択肢を増やす・視野を広げる機会として多くの学校で開催されています。

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エンジニアが求められる時代に

日本でも最近ではエンジニア職への需要も高まってきていますが、プログラマーやSEなど、コンピューターサイエンスの分野はこれまで男性の仕事とされてきたきらいがあります。
なかなか女性の進むキャリアとして考えられてこなかった事もありますが、それを変え、女性にも開かれた選択肢であることを伝える場として、Googleはこのプログラムを提供し始めたそうです。

広告でもデザインでも、女性が活躍してきた仕事場でさえテクノロジーへの理解を求められるようになったのは確かなこと。
最低限の素養として、情報科学の知識を持っておくことはもちろん、1つのスキルとしてプログラミングができれば、大きなアドバンテージにつながることは間違いありません。

理数系や情報系など、女子はどうしても毛嫌いしてしまう分野かもしれませんが、その先にある可能性やおもしろさを教えることで、より親しみを持ってもらいたいとしています。

女性エンジニアと交流できるプログラム

具体的なブログラムはサイトからも確認できますが、一昨年この「Mind the gap」に参加した浦和第一女子高校のブログからも、簡単にその概要を知ることができます。

六本木ヒルズにあるGoogle社に伺い、オフィスツアー、女性エンジニアのマイストーリー、Google社員との質疑応答、Scratchによるプログラミング体験を行いました。
グローバル企業の社内を垣間見て、いろいろな質問をしたり、プログラミングをしたりと生徒たちにとってとても貴重な経験となりました。

Google Mind the Gap プログラムに1年生72名が参加 – 埼玉県立浦和第一女子高等学校

とあるように、1番大きいのはやはり実際に現場で働く女性エンジニアの方と、触れ合える点にあると思います。
そういう仕事がある、でも実際のところどうなの?といった疑問や不安を、こうした機会を通して若いうちから学べる、といったことは非常に有意義と感じます。

「中高生の頃はどういう学生だったか」「何故自分は情報科学を選んだのか」といった話を聞けることで、等身大の自分と照らし合わせながら、将来を見据えられる。
決して特殊な仕事ではないんだ、という実感を持てて初めて選択肢として考えられるようになることからも、新しい興味関心を引き立てる良い機会となっているようです。

2014~2015年の主な参加校一例は以下の通り。

お茶の水女子大学附属高等学校
吉祥女子中学高等学校
早稲田実業学校
桜蔭学園
渋谷教育学園幕張中学校
田園調布雙葉学園
立教女学院高等学校
豊島岡女子学園 など

先進的な取り組みをしている学校が名を連ねていますが、進学校といえど受験だけでなく、こうした視野を広げる機会をいかに提供するかが重要になってきているとも感じます。

社会や世界の変化を敏感に感じ取り、自身の選択肢に活かす試みは、今後更に広がっていくのではないでしょうか。

ちなみに体験プログラムの中に出てきた「Scratch」とは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の開発したビジュアルプログラミング環境のことで、アメリカではSTEM教育の一環として、広く教育現場などで活用されています。

Scratch – Imagine, Program, Share

まとめ

今年はじめに、「STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕教育の将来は12歳女子の教育にかかっている – TechCrunch Japan」といった記事も話題になりましたが、女子生徒の数学や科学に対する苦手意識や消極性は、以前から問題となっています。

世界的にエンジニアが評価される時代になってきましたが、エンジニアに限らず、女性でもSTEM系の職種に就ける可能性を広げるには、早くからの教育と興味を引き出す仕掛けが必要です。

今回紹介した「Mind the gap」も、そんな女子生徒の好奇心を刺激するプログラムとして、より多くの学校で実施されることが期待されます。

教育現場だけでは提供しえないコンテンツも、こうした取り組みを通して広く生徒に経験してもらえればと感じました。

photo credit: A computer class at a rural secondary school in La Ceja del Tambo via photopin (license)