スイス国立銀行がついにマイナス金利を個人預金に適用か!?とのことで、信ぴょう性のほどはまだはっきりしていませんが、そんな噂も出ている模様。そうかマイナス、なるほど、わからん。
ということで、金利は金利でもマイナスってどういうことなのか、何を目的としているかという点について調べてみました。
▶ Swiss Bank Puts NEGATIVE Interest Rates on Bank Accounts! Take Your Money OUT!
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お金を預けたければ利息を払ってね
一般的に、銀行にお金を預けると僅かながら利息を受け取ることができます。
通常、銀行は個人(+機関投資家など)から預かった資金を企業に貸し出し、その貸出に伴う利息を得ることで、事業を成り立たせています。
しかし、今回のマイナス金利では、預金しようとするとそれに伴う利息が必要となり、お金を預けるのに手数料を支払わなければならなくなります。
実際日本でも、預金を引き出す際手数料を取られているため、実質預金のために費用を取られていると言うこともできます。
ただ個人預金への適用となると、金利として徴収されるため、預けた金額に伴う支出を各個人が被ることになります。
マイナス金利の目的は?
元々マイナス金利は、ECB(欧州中央銀行)が昨年から導入したもので、個人ではなく民間の銀行に対し導入したものです。
景気が依然低迷し、物価も上がらず失業率も高い欧州では、民間銀行の企業に対する貸し渋りが続いている状況。
そこで、元締めのECBが民間銀行に対し、ウチに預けるなら手数料取るよ!それが嫌なら企業にどんどん貸し出して、市場に出回る資金を増やしてね、という狙いで始めました。
景気の悪い状況下では、民間銀行は貸出資金の焦げ付き・不良債権化を恐れ、安定して金利を得られる中央銀行(ここではECB)に預けたがる傾向があります。
その逆手をとった政策としてマイナス金利は実施され、融資を増やしお金を市場に行き渡らせることで、経済活動を活発化させることが目的とされています。
マイナス金利の個人適用と今後について
これまで個人へのマイナス金利は、国民から理解が得られないという理由で控えられており、実際にスイスが動くかどうかは注目です。
マイナスということで、日ごとに預金額が減っていくという衝撃はかなりパンチが効いていますし、逆に預金が引き上げられてしまったら、それこそ銀行は死活問題。
現実的には考えにくい施策ですが、火のないところに煙は立たぬということで、静観しつつ気にしておくといいかもしれません。
ただ個人へはともかく、欧州でのマイナス金利の動きは今後も加速していきそうです。
欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は、これまで実施してきたマイナス金利が金融の安定を脅かすことはないと述べ、預金金利を一段と引き下げる可能性を示唆したとのこと。
▶ マイナス金利、金融安定性を脅かさない=ECB副総裁 – WSJ
現在、マイナス金利は欧州中央銀行以外に、スウェーデン、スイス、デンマークの各中央銀行も採用しています。
預金すればするほど支払いが増え、資金を借りるとその利息分をもらえる、というこれまででは考えられなかった状況が起きています。
直近でこうした政策が日本で起こるかわかりませんが、欧州での成果によっては景気刺激策の一手として候補に上がってくる可能性も否めません。
金融関係の仕事をせずとも、日銀の動向や経済政策には常に気を配っておく必要がありそうです。
【参考】
・特集 金利がマイナス?ヨーロッパで不思議な現象 | 三井住友信託銀行株式会社
・欧州、日本で発生したマイナス金利とはなにか?経済への影響は – Biz STYLE
・ECBのマイナス金利政策 本来の目的、そして最近のユーロ動向|クラウドクレジット