教育現場での生成AI活用、めちゃ進んできてますね〜
教員の指導や働き方を、少しずつですが、確実に変えていっていると感じています。

今回は、生成AIが実際にどのように現場で活用されているのか、現時点で見聞きする情報をメリットや課題感も含めまとめていきたいと思います。

生成AIとは何か 教育分野への影響

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生成AIとは、人間の指示や質問に応じて文章や画像を生成する人工知能の一種です。近年の技術の進歩により、教育分野でも注目されています。
特に教材作成や個別指導、業務処理への応用も進み、生成AIを活用し、従来の方法では難しかったカスタマイズ性や効率性が実現可能となっています。

私自身も日頃先生方とお話しする中で、結構活用の進んでいる学校や先生が増えてきたなと。
体感ではまだ全体の1~2割という感じですが、それでも生成AIって何?という状況からは大きく進んできたという印象です。

教育現場での生成AIの具体的な活用事例

ここで実際の活用事例を、先生への取材を通して見聞きした情報からまとめていきます。

1.教材作成の効率化
授業で使用するスライドや練習問題を短時間で作成することへの活用が進んでいます。特定の学年やレベルに合わせた内容を迅速にカスタマイズでき、問題も無限に作成&解答も過程含め出力することが可能です。

特に、数学の例題作成時に、微分積分やΣなどの記号も、LaTeX(テフ)を用いずに表記可能で、先生がめちゃくちゃ感動していました。

2.生徒一人ひとりに合わせた学習サポート
一部学習アプリやサービス上では、生徒の単元ごとの成績を踏まえて、弱点や得意分野に応じたアドバイスや追加課題を自動で提供できます。これにより学習の定着度を向上させ、その後のつまづきも最小限に抑えます。

生徒ごとに苦手分野が異なる中で、課題克服のためにどんな復習をさせるかを省力化し、教員は生徒の伴走やモチベートに回るなど役割の変化を促します。

3.教師の負担軽減
AIが作成した資料を基に授業を展開できるため、教師はより生徒一人ひとりに向き合う時間を増やすことができます。教科指導はもちろん、その他校務に伴う事務作業なども効率化できるため、負担軽減につながります。

知り合いの先生の中には、職員会議での議事録作成を自動化したり、対話型ツールを使って自身の考えや授業アイデアの壁打ちに使い、思考を整理することに役立てています。

生成AI活用のメリットと課題

上記のように、生成AIの導入には多くの活用事例があり、それが周知されることで浸透してきた状況です。ただその一方で課題もいくつか存在するため、その前提を踏まえる必要があります。

1.AIの誤情報リスク
AIは膨大なデータから情報を生成しますが、必ずしも正確ではありません。例えば、歴史や化学の授業で間違ったデータが出てくると、生徒の学びを妨げる可能性があります。使用する際には、教員が内容を事前に確認する必要があります。

2.生徒の考える力の低下
便利すぎるAIに頼りすぎると、生徒が自ら問題を解決する力や創造性を発揮する機会が減る恐れがあります。AIは補助的な役割に留め、基礎的な学びは人の力で進めることが大切です。

3.教師のAIスキル不足
AIを使いこなすには教員のリテラシーが必要ですが、すべての教員がすぐに対応できるわけではありません。継続的な研修やサポート体制が重要であり、いかに組織的な取り組みにしていけるかは課題です。

その他、導入に関して、データプライバシーやセキュリティ、教材等の著作権、導入や運用コストについても検討が必要です。

生成AIを活用する際の注意点

生成AIを教育現場で活用する際には、以下の点は特に考慮する必要があります。

1.教師の役割を見直す
生成AIはあくまで補助ツールであり、教師が主導して活用することが求められます。人間の判断や指導が重要というのは、人間社会が続く以上、ついて回るようなものと感じます。

2.AIの結果の検証
生成された内容をそのまま使うのではなく、正確性や妥当性を確認する必要があります。課題などをテキストから引用する場合は、ある程度その正確性は担保されているかと思いますが、生成AIで作成した課題の解答に関しては、確認する場合どうしても教員側が行うことになります。

3.生徒への教育的配慮
AIに頼りすぎることなく、生徒が主体的に学べる環境を維持することが大切です。授業の中でも利用シーンを限定したり、宿題を出す時は少なくとも生成AIについて言及し、利用法や注意点の伝達が必要です。

生成AIがもたらす未来の教育

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今後、生成AIはさらに進化し、教育現場での役割を広げていくと考えられます。たとえば、より高度なカリキュラムの設計や、教育の国際化を促す可能性もあり、未来の教育において、生成AIは欠かせない存在になるだろうなと。

教育現場における生成AI活用は、単なる技術導入だけではなく、教育そのものの在り方を問い直すきっかけにもなってきています。この新たなツールを活用することで、より良い学びの環境について考えていけたらと思います。