はい、最高です。
イシューからはじめよ」、「ビッグデータ探偵団」を執筆され、データサイエンス周りで知らない人はいないヤフー株式会社CSO・安宅和人(あたか・かずと)氏。今回、自身が受け持ち、大学生向けに行うデータサイエンスの講義を、惜しげもなく一般公開しました!

データ・ドリブン社会の創発と戦略
◇SFC-GC データ・ドリブン社会の創発と戦略|http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2019_41574+

講義ページをご覧いただくと分かる通り、本授業の対象は「高校1-2年程度の数学の知識、スキル、Excelで基本的なことができる程度の素養はあるが、データ分析、データの利活用についてさして経験のあるわけではない人」。
ということで、学部生向けの内容ということもあり、敷居はとても低くなっています。

データサイエンスに興味はあるけど、中々手を付けられていなかった。。という方は是が非でもいいね、ブクマして見ておきたいところでは。

データを使わない = 新幹線、飛行機を使わないと同じ

昨今、AIなどのテクノロジーの文脈で、なにかとセットで取り上げられる「ビッグデータ」というワード。みなさんも聞いたことはあるかもしれませんが、それってなんなん?という方も多いかもしれません。

要は、AIをエンジンと捉えれば、ビッグデータはそれを機能させるガソリンのようなもの。車がエンジン単体で動かないのと同様、AIという仕組みに(ビッグ)データというガソリンを流し込むことによってその価値を発揮します。
今回、安宅氏が指南するのは、そうしたAI含めテクノロジーが普及する社会において、より活用の幅が広がるデータへのリテラシーやデータで考える力をどうすれば身につけられるかという点です。

過去の記事の中で、安宅氏は「この時代に、データやAIを使おうとしないのは自殺行為です。東京から大阪に、新幹線や飛行機を使わず徒歩で行くと言っているのと同じなのです」と答えるほど、その重要性やデータサイエンスを学ぶ人材の価値について言及しています。

今の仕事に対し、よりデータ・ドリブンなアプローチしていきたい方。次のキャリアとしてデータサイエンスに興味のある方は、ぜひご覧ください!

以下、1本目視聴メモ。

データ・ドリブン社会の創発と戦略 第01回 視聴メモ

データ・ドリブン社会の創発と戦略 1本目
◇SFC-GC 「データ・ドリブン社会の創発と戦略 第01回」|http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/video_gc/view_video_gc.cgi?2019_41574+01+1

・何を見ているか、何を見ようとしているかという(目的)意識を持たないと、データ解読のしようがない
・データには3種類ある「調査データ」「実験データ」「ログデータ」
Yahoo! JAPAN、毎日20億以上のアクセス(ログ)データ(日本でも1、2位)があっても、それによってできる意思決定は半分あるかないか
→ビジネスの上で、データを活用し意思決定するためには、ただ溜まった「ログデータ」だけではなく、「調査データ」で見出した問題意識を「ログデータ」と照らし合わせ、「ログデータ」の結果をまた「調査データ」とすり合わせるといった交互の行き来、双方に対する関係性・理解が必要
・データ分析で必要なのは、AとBを見分けること。起きた現象に対し、何が違うのかが見分けることが重要。数字はそれを処理するために扱っているに過ぎない
→どのデータを比較すればいいのか、そもそも何の問題に答えを出せば良いのかを考えるのが分析力そのもの
・数学は、計算するのではなく式の意味を理解する、何をしているのか理解できる力が大事
→こういうことをしたい、となった時、それをどう数学的に処理をするか考えられること
→線形代数、微積分は大学入試レベル?教科書くらいみておくといい
・統計数理的センス、全体感を持つこと
・データには3種類あるということと、素(ベース)データをメタ化した1次データ、2次データがあることを押さえておく
・みなさんに残るのは記憶ではなく、気づき

<参考>
データサイエンティストのスキル定義と日本が成すべきこと データサイエンティスト協会理事・ヤフーCSO安宅和人氏が語る
【安宅×佐渡島】データを宝の山に変える「目的意識」の持ち方【F17-5E #3】
世の中の原動力であるサイエンスを武器にせよ ポスト平成の教育を考える【理科・社会・英語編】
慶應SFC 授業紹介「データ・ドリブン社会の創発と戦略」ー 安宅和人教授
ヤフーCSO安宅和人×鈴木寛が語る!リーダーに必要な「AI」「データ」の知識と活用法