人の創造性はどうすれば磨けるのか、といった疑問はこれまで色々議論されてきたところ。芸術品でも商品でも素晴らしい作品を見る度に、こんな発想どこから出てくるのか、とその創造性を羨んでしまいます。
やっぱり凡才には縁のないものと思ってしまう時もありますが、以下の記事では創造性の育み方に一定の示唆を与えてくれています。
創造性はひらめきではなく「積み重ねた失敗」から生みだされる – GIGAZINE
こちらの要旨は、創造性がハナから質を求めて生み出されるものではなく、量をこなした結果生まれてくるものということです。
なるほど、凡人の自分にも頑張れそうで中々勇気のもらえるお言葉。ただ、1つ注意しなければいけないこともあるのではと。
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頭を使わない努力には、いくらでも裏切られる
「量が質を生み出す」「高い品質は失敗の数に比例する」という例は、これまでを振り返っても枚挙にいとまがないと思います。
むしろ、この世の真理といえるほど、多くの発明品やイノベーションはそうした中から生まれてきたのは間違いありません。
創造性を養うため、新しいものを社会に生み出すため、早速数をこなして頑張ろう!
と思った瞬間、ふと1つのつぶやきを思い出します。
練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ。
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) 2010, 6月 11
メジャーリーグ・レンジャーズに所属するダルビッシュ有投手のツイートです。
幼い頃から天賦の才を発揮し、高校、日本プロ野球界で突出した成績を収めアメリカに渡った代表的投手。
そんな彼が才能ではなく努力を語る中で、つぶやいた一言。
それは、ただやればいいというものでなく、頭で考えて練習、行動をしなければただの自己満足で終わってしまうという強烈なメッセージでした。
最近では大分その考えも改められてきましたが、根強くはびこっていた根性論のとにかく頑張れば何とかなる、といった日本人にとって馴染みある考え方に一石を投じるものとして話題になりました。
何のための練習か、どんなことに繋がる努力なのかを考えず、闇雲に”努力っぽい”ことを続けたところで何の意味もない。練習に裏切られ、結果を出せなくしているのは自分だと。
確かに考えてみれば誰でもわかることかもしれません。
ただ、それを徹底してできている人がどれだけいるかという問題で、これだけ頑張って努力している人がいる中、世界を代表するイノベーションが日本で生まれてこない一端になっていることは違いないと思います。
質の良い失敗をこなしていくには
学びの多い失敗を多くこなすには、日頃から自覚的な行動が必要と考えます。
ただ習慣的に、機械的にものごとをこなすのではなく、今自分がしている仕事・業務内容を意識する。その意味・目的を普段から自覚しておくことが、次への学びを生み出します。
自分が行っていることの意味・目的を明確にするからこそ、反応があった時、その意見を次にどう活かせばいいのか見えてくる。
ただ数をこなすだけで、自分のやっていることに自覚的にならなければ、せっかくの意見やコメントがただの批判やクレームとしか受け取れなくなります。
なぜ文句を言われているのかわからない、という状態でなく、次に活かすための貴重な”反省材料”として受け止められるよう、自覚的な行動が不可欠なのです。
とにかくこなすことに追われる毎日ですが、一度立ち止まり、仕事の内容や関連する業務の目的・意味を、改めて棚卸ししてみるといいかもしれません。
創造性が天才の単なるひらめきだけではなく、膨大な失敗の積み重ねの果てに磨かれるものだからこそ、積み重ねる過程にもより一層注目していきたいと思います。