ニュージーランドの国旗デザイン変更を受け、ネット上では残った候補ではなく落選したデザインに注目が集まっています。
見てみると、確かに画像編集ソフトを学んだ直後なのでは?と言わんばかりの作品が何点かみられ、注目されるのも納得。
ニュージーランド国旗デザイン 落選案
画像元:New Zealand selects 40 designs for new flag – BBC News
日本も、東京オリンピックのロゴを一般公募すればよいのにと感じざるを得ないニュースですが、今回はニュージーランドの国旗変更に当たって、ニュージーランドの歴史から、国旗を変更する理由についてみていきます。
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イギリス植民地時代の名残、ユニオン・ジャック
上記画像から、どれがニュージーランドの国旗かわかりますでしょうか。画像左側は、よく服のデザインにもなり馴染みある、ご存知イギリス国旗のユニオン・ジャックです。
では、右側2つのうちどちらか。こちらは上がニュージーランド、下がオーストラリアの国旗となります。
星の数や色以外にほとんど違いの見られない両国旗ですが、ユニオン・ジャックの共通点から過去、両国がイギリスの植民地であったことがわかります。
約110年の旗の歴史に終止符
ニュージーランドの歴史は、約1000年前南太平洋のポリネシアから移り住んできたマオリ族の頃から始まります。
17〜19世紀には西欧(オランダ、イギリスなど)からの航海者が度々訪れ、争いや交流、その後イギリス人の移住が進みます。そして、1840年ワイタンギ条約が締結され、ニュージーランドはイギリスの正式領となりました。
当時の国旗は、イギリス領なためイギリスの国旗が利用され、1869年から現在の国旗を使用、1902年正式に議会で制定されました。
1902年の制定から今年で113年。1907年の独立から98年経った今、ニュージーランドが国旗を刷新する理由は、以下2つがあげられます。
独立国としての証明、あとは見間違われないように
まずは植民地の象徴でもあった、ユニオン・ジャックを国旗から消す、という理由です。
イギリス連邦内の自治領であり、イギリスから多様な影響を受けたニュージーランドですが、独立国である以上国旗に過去の歴史を残しておく訳にはいきません。
過去にとらわれず、自由な一国家として独立国の地位を自他共に認めさせるため、国旗の変更は悲願とも言えます。
2つ目の理由は、そのままですが他国の国旗と見分けがつくようにという狙いからです。
見分けがつく、単純そうに見えますが国を代表する国旗が、他国と見間違われるようでは、国際社会で示しがつきません。
先ほど紹介したオーストラリア国旗とは別に、世界には他にもイギリス植民地であった地があるため、そういったものとの決別も意味します。
新国旗案に見る、ニュージーランドの象徴
国旗のデザインでモチーフとなるのは、その地特有の歴史や自然にまつわるものが代表的です。
今回、最終候補に残った4案の内、3案でもニュージーランドを象徴する植物シルバーファーン(銀色のシダ)があしらわれています。
このシルバーファーンは、同国のラグビー代表のマークやマオリ族の信仰の対象としても馴染みあるものであり、国旗のデザインには持ってこいと言えそうです。
ただ、ニュージーランド国内では残った4案に対し不満が出ており、ニュージーランドでも検討委員会のメンバーが批判にさらされている状況です。来年3月の国民投票で決着がはたして付くのか注目です。