一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ

素晴らしい教育サービスが生まれても、現場の先生に使う余裕がなければなんの意味もない。
Edtechが教育現場に広がらない根本課題でもあり、教員の働き方や労働環境は以前から注目されているトピックです。全く改善の兆しはありませんが。

▶ 一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ – 子供たちの主体性と創造性を育む教師を支援する : http://teachers-i.org/

そんな中、そうした環境に負けず、子供たちに最高の教育を届けようと日々奮闘する教員のために、「主体的かつ創発的に学び、成長する教師を支援する」ことを目的とした一般社団法人「ティーチャーズ・イニシアティブ」が立ち上がったそうです。

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教員が互いに知識・スキルを高められる環境を

21世紀、子供たちに必要とされる主体性や創造性、協働する力といったスキルを、教育現場で伸ばしていくにはどうすればいいか。
従来の講義型授業だけでなく、アクティブラーニングやPBL(Project Based Learning)といったスタイルを取り入れていくための方法は?

日々仕事に追われ、忙しい毎日を送る教員にとって、こうした知識の習得やトレンドのキャッチアップはなかなか難しいものとなっています。

そうした現状を打破すべく、教育業界の専門家らが集まり、情報共有やスキルの習得を体系的に学べるプログラムを提供し、教育観や教育技術のレベル向上を目指すのがティーチャーズ・イニシアティブです。

公式HPより、主な事業内容は以下の通り。

・「21世紀型学び」を実現するための教員向けプログラムの開発と実践
・「21世紀型の学び」の先進事例を学ぶための国内外スタディツアー
・教員向けの企業・団体へのインターンシッププログラムの提供
・「21世紀型の学び」についての調査・研究・出版
・ティチャーオブザイヤーの表彰

具体的な取り組みは、今週23日(土)に開かれる設立記念シンポジウムで説明されると思いますが、直近では、来月から半年間(2016/8~2017/3)に渡り行われる「21世紀ティーチャーズプログラム」というものがあります。

山梨での合宿や講義、実践授業を通して、毎月1〜4回のプログラムが組まれているとのこと。
現在HPにて参加者を募集しており、小中高の先生であれば誰でも応募可能です。定員は30名と限られていますが、普段であれば会うことのないような多彩な人材に囲まれて、濃密な時間を体験できるはず。

団体の理事には、一橋大学 米倉誠一郎氏、元文部科学大臣 鈴木寛氏、法政大学 児美川孝一郎氏らが名を連ね、プログラムにも参加しながら教員のサポートをしていくようです。

今後スタディツアーや教員向けインターンなど、まだまだおもしろそうな取り組みが用意されているとのことで、その動向には引き続き注目しておきたいと感じます。

“高める”支援だけでなく、”削る”支援もできないものかと

教育に対するニーズが複雑化し、教員個人への負担ばかりが増していく中、周囲がどのようにそれを支えていけばいいか。
今回はじまるティーチャーズ・イニシアティブのように、まずは意欲ある教員をさらに高める環境を整備するといった、ある種プラスの提案はもちろん考えられるなと。

ただ、こうした教員を支援するサービスを取り上げて感じたのが、むしろ先生がもっと楽になるよう仕事量を減らす・削る提案や解決策を出せないか、というものです。

日本の教員は他国に比べ、圧倒的に仕事量が多く残業時間も断トツだという点は周知の事実。先生の自己犠牲や良心によってギリギリ成り立っている学校という組織で、まず改善していくべきは、教員の働き方であることは間違いないと感じています。

もちろん、教員自身がそれを求めていなかったり、組織の体質にそぐわない点はあるかと思います。ただ、そこを解決することで得られる時間で、教員はさらに外に出て見聞を広めたり、新しいサービスを利用して価値を高められたりとするはずです。

話は逸れましたが、教員にとって価値やスキルを”高める”支援だけでなく、仕事量自体を”削る”支援の両面から、その環境を整えていければなと感じます。

▶ 一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ – 子供たちの主体性と創造性を育む教師を支援する : http://teachers-i.org/
▶ 公式Facebookページ : https://www.facebook.com/teachersinitiative/