「未来予測に重要なのは、想像力よりもむしろ観察力だと、わたしは常々主張してきた。」から始まるこちらの記事。
未来予測というものを、妄想の類で終わらせず、現実世界の状況と照らしあわせ、確固となる未来図を描き出すために必要なことが書かれています。
▶ 未来予測に重要なのは、想像力よりもむしろ観察力だ:未来を生み出すための3原則|ダニエル・バラス « INNOVATION INSIGHTS
時代の変化、移り変わりが激しい現代で、後手に回らず常に変化の先頭に立てる未来予測とは。また、そうした変化を生み出す主体になるには何が必要かを、この記事を一部引用しながらまとめておきたいと思います。
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未来予測に必要な4つの要素
この記事を読むまで未来予測とは、その分野の専門知識と社会、世界情勢をトータルでバランスさせて今後起こりえそうなことを考える、程度の認識でした。
ただ、そのような漠然としたものでなく、もっと体系的に未来予測を行う方法論を提示してくれています。
ポイントは、「周期的変化と直線的変化の相互作用を受け入れ、特に直線的変化におけるハード・トレンド(未来の事実)とソフト・トレンド(未来の可能性)を分けて考える」ということです。
、、、正直いきなりだとよくわからないため、個人的に噛み砕きながら各要素とその関係性についてみていきます。
周期的変化
周期的変化とは、それが起き、過ぎ去り、再来するのが確実な変化のこと。そのわかりやすい例は、季節の移り変わりだ。
まず未来に起こる現象で、ほぼ確実に訪れ繰り返されるものに「季節」があります。
気候変動や異常気象により、前年と全く同じ季節は訪れにくいものの、暖かくなったり寒くなったり雪が降ったりという移り変わりは、毎年ほぼ確実に起こります。
直線的変化
直線的変化は、周期的なものとは異なり、前例のない突発的な変化を生じさせるものです。人の手によるイノベーションや、時代の流れによる結果などとして捉えることができ、その根底には予測と実証が可能な「トレンド」が存在するといいます。
ハード・トレンド(未来の事実)
ハード・トレンドはベビーブーマーの高齢化や、コンピューターの処理能力向上といった未来の事実をあらわします。すでにある具体的な情報、証拠から未来で起こりえる可能性の高い「事実」のことです。
ソフト・トレンド(未来の可能性)
ソフト・トレンドは、ハード・トレンドと比べると、状況の変化にどうしても依存するため予測が難しい性質があります。
ですが、逆に言うとこのソフト・トレンドに対し、いかに影響を与えられるかで、未来を予測ではなく創り出していく主体になることも可能です。
要するに、ハード・トレンドとソフト・トレンドによって直線的変化が生じる、という関係にあることがまず第一。そして、主にハード・トレンドに着目しながら、周期的変化との相互作用、直線的変化における因果などを観察し見分けていくことで、未来予測が可能になるということです。
未来予測の方法論を活かしていくために
大局的な視点に立つため、まずそれが周期的な変化なのか、直線的変化であるか。さらにその直線的変化はどのようなハード・トレンドとソフト・トレンドの組み合わせにより生じたものか、という体系を整理しておく事が重要です。
短いスパンでの予測ならまだしも、こうした長期的予測から未来を予測しさらにその主体となる、という際には非常に有益な考え方かと思います。
普段ニュースを観ながらでも、本を読みながらでも、起こった出来事が4つの要素の内どれにあたるのか。歴史的な出来事として「国家の民主化」や「戦争」は、どのようなハード・トレンド、ソフト・トレンドにより生じたものか。
様々な状況、変化をそうした視点で振り返り整理していくことで、徐々に未来に対する目も養われていくと感じます。