岡本太郎『自分の中に毒を持て』

本日は、自分の殻をぶち破りたい・常識を一新したいという方にとって必読の1冊をご紹介します。
著者は、「芸術は爆発だ!」でお馴染みだった洋画家の岡本太郎氏。自身の生涯を振り返りながら、その生き様や考え方をこれでもかと込めて書かれた本なのですが、内容が本っ当に衝撃的。

現代人としてぬくぬく生きてきた自分が情けなくなるほどパンチある言葉が所狭しと並んでおり、インドに行って価値観変わったレベルでは済まされない読後のコペルニクス的転回が待っています。

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目次とコンテンツの概要

岡本太郎『自分の中に毒を持て』目次

1 意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない
2 個性は出し方 薬になるか毒になるか
3 相手の中から引き出す自分 それが愛
4 あなたは常識人間を捨てられるか

上記4章からなる本書は、岡本太郎氏の生涯に沿って話が進みます。その中で特に人生を分けたであろう重要な局面、大事な場面の一瞬一瞬で、著者自身が何を感じ何を思い、どう決断してきたのかを追体験することができます。

常識とは異なる行動を取り、そのリスクやデメリットを実体験として経験していく。ただ、そうであっても自分という人間を自分らしく生きる、その様が何を生み出し周りを揺さぶるのか、人とはそもそもこうあるべきではないか、という訴え・メッセージを強く受け取れる内容です。

息つく暇を与えない怒涛の金言集

人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

こちら、第1章の1節1文目の文章です。
のっけから先制パンチと言わんばかりに読者の根底を揺さぶってきます。過去の自分を否定して、どんどんその瞬間瞬間に生まれ変わっていくのが人間なのに、社会的な状況や世間体を考えて自分を守ろうとしてしまう。
そんな人のあり方を「それでは駄目だ」と一蹴し、どんなにキツくても本当に生きていくためには自分自身と闘わなければいけないとしています。

自分らしくある必要はない。むしろ、”人間らしく”生きる道を考えて欲しい。

自分らしく生きようという人は数多くいますが、”人間らしく”生きろと言う人はほとんど聞いたことがありません。「自分」というより、1人の「人間」としての生き方を意識する方が、自分とは何かなどと深く悩んでしまわずに済む。
つい考え過ぎて動けなくなってしまう人には、発想の転換や物事の本質について響く言葉だと思います。

人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まなければならない。いのちを賭けて運命と対決するのだ。その時、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。

自分自身の人生に、人間として向かっていく際必ず挑まなければいけないものがある。社会的な制約や現実問題はもちろんそうだが、全ての条件の前提になっているのは自分自身の考え1つなのだと。
社会のシステムに守られながら生きていると、それが当たり前となり、それがない生活を想像できなくなる。それが怖い。
そうした保身や自分を大事にしようとすることが、自分を殺し生きがいを殺してしまうと言っています。

そこでぼくはそういうダメ人間、不安で、迷って、自信がない、何をしたらいいのか、てんでわからないあなたに提案する。
自分はそういう人間だ。ダメなんだ、と平気で、ストレートに認めること。〜中略〜 あきらめるんではなく、気が弱いんだと思ってしまうんだ。そうすれば何かしら、自分なりに積極的になれるものが出てくるかもしれない。

周りに流され生きてきた人にとって、自分に自信の持てない人はかなりいると思います。周囲からはそんなことない、大丈夫だよと励まされはするものの、どこか腑に落ちず納得出来ないまま思い悩む人にとって、中々辿り着けない発想ではないでしょうか。

自分を自分でダメだと認める。言ってることは簡単かもしれませんが、それをしてしまったら本当にダメになってしまうかもしれない。そんな時に限って自分はそんなことない、他と比べればマシなはずだと中途半端な虚栄心が顔をのぞかせるかもしれない。
自分を傷付けたくないという弱い心が本能的に働いてしまっているのだとしたら、しっかりとそこで向き合い克服するチャンスと捉えるべき。中途半端な悩みは何も解決しないと訴えかけます。

何か、これと思ったら、まず、他人の目を気にしないことだ。〜中略〜 萎縮せずありのままに生きていけばいい。
これは、情熱を賭けられるものが見つからないときも大切だ。つまり、だめならばだめ人間でいいと思って、だめなりに自由に、制約を受けないで生きていく。

もう極論過ぎて賛否両論上等な文章ですが、それでも己の言うべきことははっきりと言う。それが何より大事だと伝わってくる一文です。
そうしてありのまま生きていく過程の中でこそ、初めてチャンスが見つかる、おのずからひらけてくるとのことです。

口だけの人間が言うなら全くもって力を持たない言葉も、岡本太郎だからこそ聞ける・受け入れられる言葉として存在しています。読んでいてあまりの力強さについ笑ってしまうほど感激し元気の出る作品です。

ちなみにここまでで、まだ第1章終わっていません。第4章の最後まで、まだまだ続く常識外の言葉をいやというほど浴びてみてください。人生観に影響を与えていること間違いありません。
むしろ人生観を変えたくない、という人は決して読まないようにしてください。そのまま何も知らない方がいいこともある、はず?

本当に残念ながら文章力の無さで、字面からにじみ出る半端ないエネルギッシュ感を伝え切れなかった点は悔やまれますが、是非通勤前や仕事前の時間に読んで、力をもらって頂きたいと思います。

ここまで臆面なく自身を晒すことのできる人間は、そうはいません。その等身大の実際にいた人間・岡本太郎をぜひ本書で体感してみてください。